【確定申告の落とし穴】保育園児の子育て世帯は株の配当金の還付申告は慎重に


この記事のまとめ

株の配当金にかかった源泉徴収税は確定申告で(一部)取り戻すことができます。
ただし、確定申告をすることで保育料が上がってしまうことがあります。

情報強者になったつもりで確定申告したら、むしろ損してしまった!
……なんてことにならないように注意しましょう。



我々が受け取る株の配当金は税金が天引きされている

株式投資をしていると、投資先の企業から配当金を受け取ることがあります。
ただし、私達個人が配当金を受け取るときは、20%(復興特別所得税込みで20.315%)が源泉徴収されています。

例えば、企業が20,000円の配当金を支払ったとすると、20.315%が源泉徴収され、我々の手元に届く金額は15,937円になります。
差額の4,063円が税金ということですね。

この源泉徴収されてしまった税金を取り戻すことができる場合があります。

詳しくは以下の記事を読むと良いでしょう。


確定申告をする場合、「申告分離課税」か「総合課税」のどちらかを選びます。

株の売買で損失が発生している場合は「申告分離課税」を選択し、配当の収入と相殺するのが良いでしょう。
いわゆる損益通算です。

課税所得が330万円以下の場合「総合課税」を選択すると、源泉徴収された税の一部を取り戻すことができます。
※課税所得は、額面の年収や手取りの年収とは異なります。

課税所得330万円が額面年収でいくらほどになるかは保険料控除などの所得控除の利用状況によって変わってきます。
リンク先の記事では「ざっくり年収が500万円くらいで課税所得は330万円くらいになる」ということでした。

この試算、相当に保守的に見積もったか、単純に500万円ではなく600万円と間違えているような気がします。
あるいは手取り年収が500万円、という話かもしれません。

以下1.の自作のシミュレーションだけではこちらが間違えているのではと不安になったため、2.のリンク先でも試算してみました。
が、やはり額面年収600万円でも課税所得が330万円には届かないくらいの水準になりますね。

1. ふるさと納税限度額シミュレーション(自作)
2. 源泉徴収票(給与所得) - 高精度計算サイト

ふるさと納税を限度額までした上で保険料控除を組み合わせれば額面年収が650万円くらいでも課税所得が330万円以下になりそうです。

いずれにせよ、自分で試算してみると良いでしょう。


なお、NISA口座で投資した分の配当金は非課税です。
(配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」にしている場合)

保育料が上がる心配はありません。


確定申告すると保育料が上がってしまう理由

これまで確定申告をすることで、源泉徴収された税を取り戻すことができることについて話してきました。

ここから本題に入ります。

株の配当金収入について「源泉分離課税」(確定申告なし)の場合は住民税の計算の基礎となる「課税所得金額」に含まれません。

しかし、確定申告を行う場合は「申告分離課税」であっても「総合課税」であっても「課税所得金額」に合算されます。

そして、「課税所得金額」をベースにして住民税の所得割額がされ、住民税の所得割額によって保育料が決まります。

そう、「源泉分離課税」(確定申告なし)であれば「課税所得金額」に株の配当金収入は含まれませんが、確定申告を行うと「課税所得金額」に株の配当金収入が含まれてきてしまいます。

そうすると、保育料を決定する上で基準となる「課税所得金額」が増えてしまい、保育料も上がってしまう、というわけです。

参考サイト:
<税金の種類><個人住民税> | 東京都主税局


ここからは具体例で考えてみます。
(以下の議論では復興特別所得税は無視します)

例えば、株の配当金収入が10万円(20%が源泉徴収され、手取りは8万円)あったとしましょう。
そして、所得税の課税所得金額が330万円以下だったと仮定します。

すると、確定申告で総合課税を選択することで、所得税と住民税を足した合算の税率は7.2%にまで下がります。

13.8%分の13,800円が還付されます。

保育料のことを考えなければここで「めでたし、めでたし」となるところです。

ここで更に保育料の算出について目を向けます。

確定申告をすると「課税所得金額」が10万円増えます。
住民税は10%(都道府県民税:4%、市区町村民税:6%)です。

市区町村民税(所得割額)は6千円増えることになります。

仮に、確定申告前の課税所得金額が300万円だったとしましょう。
市区町村民税(所得割額)は18万円となります。

以下は東京都江東区の例です。
保育料基準額表(東京都江東区)

市区町村民税(所得割額)が18万円だった場合、リンク先の表でD10層に該当することとなり、3歳未満児(第一子)の保育料は月額34,100円です。
年間で40万9200円です。

確定申告後はどうなるでしょうか?

確定申告後の課税所得金額は+10万円で310万円となります。
市区町村民税(所得割額)は6千円増えて、18.6万円となります。

保育料は階層が1つ上がってしまい、D11層に該当し、3歳未満児(第一子)の保育料は月額36,200円(+2,100円)です。

年間で43万4400円(+25,200円)です。

なんということでしょう!

源泉徴収された13,800円が還付されたと思ったら、年間の保育料が25,200円上がってしまいました。
差し引き11,400円のマイナスとなります。

そんなわけで、保育園児の子育て世帯は株の配当金の還付申告は慎重に、というお話でした。


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