【新事実】金融庁によるNISA関連税制改正の説明会に出席【よくある誤解】


ばしこ(@harukindex)です。
2019/12/19に行われた金融庁による個人投資家向けのNISA関連税制改正説明会に参加しました。

NISA関連税制改正の概要やよくある誤解などについてレポートします。

前置き

まずは今回のような機会を設けてくださった金融庁のご担当者の皆様、そして募集窓口のブログ「いつか子供に伝えたいお金の話」の管理人・虫とり小僧さんお礼申し上げます。

もしも、この記事に誤り等があればそれは私の理解不足によるものです。


NISA関連税制改正の概要

NISAの政策目的

NISAの政策目的は2つです。

・成長資金の供給
・家計の安定的な資産形成

このうち、一般NISAは「成長資金の供給」と「家計の安定的な資産形成」、つみたてNISAは「家計の安定的な資産形成」に資する制度として設計されています。

新NISAも一般NISAと同じく成長資金の供給」と「家計の安定的な資産形成」が政策目的です。


改正の概要

ざっくり、下の表のようになります。

(以前、Twitterに上げた画像の流用です)

2024年以降、現行の一般NISA、ジュニアNISAは廃止となり、代わりに新NISAが新設となります。

つみたてNISAは現行制度のまま残ります。

なお、つみたてNISAの口座開設可能期間は2042年まで5年延長されます。
そのため、2022年までに開始すれば20年間の非課税期間を享受できます。


新NISAの詳細

2階の投資可能商品について

上の表で新NISAの2階で「投資対象の制限」は「ほぼなし」としました。

逆に言えば一般NISAと比べて若干の制限があります。

以下の3つのいずれかに該当する場合は投資対象外となります。
 ・レバレッジを効かせている投資信託
 ・整理銘柄
 ・監理銘柄

これ以外の投資可能商品は現行の一般NISAと同じになります。

そのため、ETFやREITにも投資が可能です。

ちなみに、説明会の場では特に説明や質問は無かったですが、米国株を始めとする外国株式も現行どおり投資可能と理解しています。

ここからは私見です。

NISAの政策目的のひとつに「成長資金の供給」があります。
日本の制度ですから、これは日本株を念頭に置いたものと考えられます。

そういった意味では現行NISAや新NISAで、外国株(生株)を買えることはちょっとした潜脱になっているのかなと思いました。

今の時点では外国株を買っているのは全体からすれば僅かと思われるので問題視されていない認識です。
ただ、将来的に塞ぐという動きが出てくるかもしれませんね。


特例について

「2階の非課税枠を利用するために1階で積立投資を行う必要がある」はあくまで原則です。

特例として、元々、一般NISAを開設していた人や投資経験者は1階を使わずに2階を使用することができます。

ただし、この特例を使う場合、2階で投資できる対象は上場株式(生株)に限られます。
ETFやREITには投資できません。


新NISA 1階のロールオーバーについて

新NISAの1階はつみたてNISAに簿価でロールオーバーが可能です。

非課税期間は新NISAで5年、つみたてNISAで20年あるので合計すると最長で25年間も非課税で運用できることになります。(年間20万円)

また、嬉しいのは簿価でロールオーバー可能なことです。

簿価で評価されるので、ロールオーバー時点で新NISA 1階の時価が20万円を超えていた場合もつみたてNISAで追加で20万円の投資ができることになります。


ロールオーバーのおかわりが可能!

個人的に今回の説明会で最も衝撃的だった事実です。

一般NISAでは、ロールオーバーは1回までで最長の非課税期間は10年間までと理解していました。

ところが今回の説明会で何とロールオーバーの「おかわり」が可能であることがわかりました。

一般NISA→新NISAのロールオーバーは現行の一般NISA→一般NISAのロールオーバー時と同じく時価で評価されるそうです。
この点は新NISAの1階が簿価でロールオーバーできることと対照的ですね。
(値上がりしていること前提で、簿価でロールオーバーできるほうが有利です)

新NISAの制度延長が議論されるのは当面先になるでしょうが、ロールオーバーの「おかわり」が制度が延長される限り可能だとしましょう。

すると、つみたてNISAで20年かけて800万を積み立てるより、5年間で600万を積み立ててロールオーバーを繰り返したほうがトータルで有利になるかもしれません。

仮に毎年4%複利で運用できた場合はつみたてNISAが有利となり、5%複利で運用できた場合は一般NISA(新NISA)が有利となりそうです。


NISA関連税制改正のよくある誤解や批判について

与党の税制改正大綱(令和2年度税制改正大綱)の発表後も誤解が含まれた報道が多くありました。


誤解1:新NISAの1階で投資できるのは低リスク商品のみ

新NISAの1階で投資できる商品は「つみたてNISA」の商品ラインナップと同じです。
これは決定事項で、今後検討するような事項でもないそうです。

ばしこ注:もちろん「つみたてNISA」の対象商品の増減があれば、新NISAの1F投資可能商品もその増減が反映されるはずです。


誤解2:新NISAの1階の投資枠(20万円)を埋めないと2階で投資できない

これも誤解です。
20万円を使い切る必要はありません。

証券会社の定める最低額を投資すれば2階で投資ができるようになります。
SBI証券や楽天証券など大手ネット証券系だとおそらく100円ということになると思います。

なお、積立設定をしたものの、実際には1階で買付を行わずに2階だけ使う、といったことはできないように手当がされます。


誤解3:新NISAの制度開始は来年(2020年)から

これも誤解です。

新NISAが始まるのは2024年からです。
2023年までは現行の一般NISA制度が継続します。

冷静に考えて、今やっと制度の概要が発表されたところなのに、来年から導入するのはありえませんね。
証券会社のシステム対応が絶対に追いつきません。

よくある批判:2階建ての制度は複雑で分かりにくく、投資の普及の妨げになるのではないか?

投資初心者向けにはつみたてNISAを用意しているので、そちらを利用して頂くことを想定しているとのことです。


今後のNISAの方向性について

説明や質疑応答を元に箇条書きにしました。

・つみたてNISAの非課税期間20年は守っていきたい(あわよくば恒久化)

・新NISAも2024年~2028年までの5年間で終わりとはしたくない。
→「成長資金の供給」はつみたてNISAでは実現できない政策目的であり、延長を要望していきたい。

・当面、つみたてNISAと新NISAが併存する形となるが、成長資金の供給」と「家計の安定的な資産形成」という2つの政策目的が実現できるなら制度設計(二制度並立/一本化)にはこだわらない。

つみたてNISAや新NISAを未成年でも口座開設できるようにすることは考えていない。
→わざわざ子供名義で積み立てる意義は少ないと考えている。
事実、ジュニアNISA口座の開設数もわずかに留まっている状況。

・非課税投資枠の拡充には消極的。
→事実として、つみたてNISA(年間40万円)も満額の月33,333円を積み立てている割合は少ない。
iDeCo+つみたてNISAで一般的な家庭の資産形成のニーズは充分満たせている認識。


感想

Twitter界隈にいると忘れがちな事実に気付かされました。
それは、月10万も20万も投資するのは、当たり前ではないということ。

普通は月に1~2万円といったところで、月に6~7万とかそれ以上も投資に回すのは一般的な国民像からかなり離れている位置にいるのだなと感じました。

現状、夫婦+子供2人の家庭で、一般NISA:120万×2、ジュニアNISA:80万×2で年間で合計400万円を非課税で投資できるのはボーナスタイムみたいなものですね。

ちなみに、我が家の毎月の投資額は約20万円なので、400万には届きません。



そういえば、この説明会のためにラクスルで急いで作ったブロガー名刺は結局1枚も使いませんでした。



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