つみたてNISAと一般NISA・新NISAのどちらが得か?

2020/11/22

NISA 考えてみた

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つみたてNISA、一般NISA・新NISAのどちらが得かを検討しました。

私の出した結論は「一般NISA・新NISA」です。

つみたてNISAは年間40万円の非課税投資枠と最長20年間の非課税期間が与えられます。

同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は最大で800万円です。


一方、一般NISAは年間120万円の非課税投資枠と最長5年間の非課税期間が与えられます。

同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は600万円です。


なお、2024年から始まる予定の新NISAは年間122万円の非課税投資枠と最長5年間の非課税期間が与えられます。

同時に投資可能な最大の非課税投資可能額は610万円です。


「800万円>600万円~610万円」なので、つみたてNISAのほうが得、などと短絡的に考えてはいけません。

「apple to apple」つまり同一条件で比較する必要があります。


お互いの制度にとってなるべく不利にならないように、以下の前提条件で試算しました。


前提条件

同一条件での比較とするため、そしてつみたてNISA、一般NISA・新NISAのどちらにも不利とならないように以下の前提で投資を行うものとします。


・年間の投資額は120万円

→年間の投資額は一般NISAの非課税投資枠を意識し、120万円としました。

 つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円ですので、残りの80万円は特定口座で運用するものとします。


 なお、実際には2024年から新NISAが始まり、年間の投資可能額は最大122万円になります。


・20年間、年間120万円の積立投資を続ける(投資元本の総額:2400万円)

→つみたてNISAの不利にならないように、積立期間は非課税投資期間が長い方の制度(つみたてNISA)と合わせます。 


・20年間の積立期間終了後、さらに20年間の資産運用を続ける(投資期間:40年)

→つみたてNISAの20本目の非課税投資期間(20年)が終わるのが40年後になります。

つみたてNISAの不利にならないように、投資期間は40年間としました。


・投資期間の40年経過後に一括売却する


・一般NISA・新NISA口座ではロールオーバーを繰り返す

→一般NISA・新NISAの利点はロールオーバーが可能であることです。

 今回の試算でもロールオーバーを行う前提で試算しています。

 ロールオーバーの「おかわり」が可能であることは以前にも触れました。

こちらも再掲になりますが、新NISA制度については金融庁職員による金融研究センターへの寄稿が詳しいです。
新しいNISA制度の概要と改正の狙い(PDF)

            

・期待リターンは5%

→今回の試算ではリターンの水準がプラスであれば、どちらが得かは同じ結論が得られます。

期待リターンが1%であっても10%であっても「一般NISA」が得になります。


試算結果


一般NISAのほうが投資元本2400万円(評価額10,528万円)に対して、367万円お得!

以下、それぞれの場合の試算結果です。

つみたてNISA

投資元本:2,400万円(非課税枠:800万円、課税枠:1,600万円)
投資期間(40年)経過後の評価額:10,528万円(非課税枠:3,509万円、課税枠:7,019万円)

税金:1,381万円(非課税枠:298万円、課税枠:1,084万円)
※今回の試算では投資期間を40年としているため、非課税枠にも税金がかかります。
 1~19本目のつみたてNISA投資枠の21年目以降の利益に課税されます。

税引き後の試算額:9,147万円(非課税枠:3,212万円、課税枠:5,935万円)

一般NISA

投資元本:2,400万円(非課税枠:600万円、課税枠:1,800万円)

※新NISAの年間の投資可能額は最大122万円ですが、今回の試算では年間投資額は120万円で試算しています。


投資期間(40年)経過後の評価額:10,528万円(非課税枠:3,658万円、課税枠:6,871万円)

※日本の税制では非課税枠であっても課税枠であっても投資期間中は課税されないため、課税前の評価額の合計はつみたてNISAの場合と同額です。

この点は「apple to apple」の比較ができている証左でもあります。

税金:1,014万円(非課税枠:0万円、課税枠:1,014万円)

※一般NISA・新NISAではロールオーバーを繰り返す前提のため、非課税枠の税金は0円です。

税引き後の試算額:9,514万円(非課税枠:3,658万円、課税枠:5,856万円)


最後に試算に使用したスプレッドシートです。

詳しい解説は割愛します。


試算の仮定

試算の仮定は以下の通りです。

税率

税金は利益にかかるものとし、税率は20%としました。

ちなみに現行の税率は20%(所得税:15%、住民税:5%)に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を足して、20.315%です。

復興特別所得税は令和19年(2037年)に終了予定です。

実際の40年後にはコロナ復興特別所得税とか、令和首都圏大震災(仮称)復興特別所得税とかが課されていそうな気がしますが、一旦考えないものとしました。

リターン

今回、期待リターンは5%としました。

試算上は毎年5%値上がりするという、実際にはありえない前提で試算しています。


ただ、つみたてNISAの場合は20年~40年後に売却するので大きな影響は無いと考えています。

一方、一般NISAの場合、ロールオーバーのタイミングで5年前よりも値下がりしていた場合、非課税投資枠に追加で投資することになります。

元本ベースで600万円を超えて非課税枠で投資ができるわけで、長期的に見れば悪い話ではないかもしれません。


新NISA制度の延長

新NISAは、2020年度税制改正大綱で2024年から5年間の措置(つまり2029年まで)として定められています。

新NISA制度は少なくとも2019年時点の金融庁の意向としては今後も延長(できれば恒久化)を目指しており、延長されれば新NISAから新NISAへのロールオーバーも可能にする方向と理解しています。
(2019年に行われた金融庁によるNISA関連税制改正の説明会に出席した私が担当官の話を聞いた上での理解です)


が、決まったことではありません。

2023年を最後に延長されないことが決まったジュニアNISAのように、一般NISAも2028年を最後に延長されないことが決まってしまう可能性はあります。

今回の試算では新NISAから新NISAへのロールオーバーおよびロールオーバーの「おかわり」も可能なものとして試算しています。

トウシルの以下の記事では「新NISAの制度が将来的に存続していればそれ以外の選択肢もありえます」と言及されています。


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プロフィール

ばしこ

2000年 15歳で株式投資を開始
2009年 米国株投資を開始
2011年 不動産投資を開始
2016年 長男(0歳)インデックス投資@ジュニアNISAを開始
2018年 妻(3x歳)インデックス投資@つみたてNISAを開始
2019年 長女(0歳)インデックス投資@ジュニアNISAを開始

mail:basico@hexarys.net

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